逆流性食道炎の治療は、手術の方が安いって本当?
日本では、逆流性食道炎の治療の主流は外科手術ではありません。薬の服用を続けても、逆流症状が改善しない場合、食道ガンの原因になるバレット食道が見つかった場合、狭窄、出血など食道炎の程度が重症な場合などには外科的手術が行われますが、その際にも、年齢や治療期間など色々な問題を考えて、内科的治療との比較検討が行われた上で外科的治療を行うことになります。
しかし、アメリカなどの場合には、逆流性食道炎の治療にも外科手術が多く行われているのです。それは、逆流性食道炎が長期に渡って薬の服用が必要になる場合もある病気であるため、医療費のことを考えれば、薬代を払い続けるよりも、手術でひと思いに治療してしまった方がトータル的には医療が安く済むためというのも、一つの要因になっているように思います。
逆流性食道炎の治療は、薬の服用と生活の改善などで行えるために、多くの患者さんにとって手術は必要ないというのが日本での治療方針の主流ですが、患者さんからも、手術をしてしまった方が治療費は安く済むのではという質問を受けることがあります。治療が長期化することを考えれば、確かに手術をした方が安いということもあると思います。
お金のために手術のリスクを負うのはと考える方も当然いると思いますが、逆流性食道炎の手術は決して難しい手術ではありません。
胃で食道を巻きつけて逆流防止弁を作成する方法を取り、その巻き付け方によってNissen手術(ニッセン法)、Toupet手術(トゥーペ法)と呼ばれる手術をしますが、どちらも開腹せずに腹腔鏡下手術が可能であるため体への負担は最小限で手術できます。
傷が小さいため、傷跡も目立たず術後の痛みも少ない手術法です。2~3日の入院で退院できるためすぐに社会復帰もできます。どんな手術にもリスクはあるように、この手術法でも麻酔のリスクや合併症の危険はゼロではありませんが、行われている数も多く、安全性は証明されている手術と思っていいと思います。
ゲップや嘔吐が困難になる場合があり、ゲップが出ないためにおならの量が増えたと感じる患者さんもいるようですが、重篤な副作用は報告されておらず、再発のリスクもゼロではありませんが高くはありません。
これから先逆流性食道炎の患者数が増加していけば、日本でもアメリカのように外科手術を受ける患者さんの数が増えていくことがあるかもしれません。