逆流性食道炎

逆流性食道炎治療にいいのは禁煙か?タバコによるストレス発散か?

逆流性食道炎の患者さんへの生活指導では、必ず言われることの一つがタバコに関する問題です。逆流性食道炎は、たばこを吸う人ほど悪化しやすいとも言われているため、患者さんは必ず、タバコをやめるか、控えるように指導を受けるのです。

たばこによって、胃酸の逆流が促されるということが科学的に証明されているわけではありませんが、実際のデータとして、喫煙者の方が症状を悪化させやすい傾向があることが分かっています。それは一説によると、煙を吸い込む動作が胸の圧力を高めることで、腹部を圧迫し胃液逆流を促すのではとも言われています。

また、たばこを吸うことで、唾液の分泌が抑制されることが分かっているのですが、唾液には胃酸を中和する大切な働きがあるため、唾液が減少すると胃酸の濃度が高くなることになります。より強い酸が逆流してしまうために、喫煙者は逆流性食道炎が重症化しやすいと考えられます。

逆流性食道炎の治療には、やはり禁煙が一番ということです。

しかし、タバコによってストレスを発散しているとか、禁煙をするとなるとかなりのストレスが生じるという人も当然いると思います。逆流性食道炎にとっては、ストレスも大敵ですので、あまり無理をしてストレスがたまってしまうのも問題です。禁煙をする方がいいのか、禁煙のストレスの方が体に悪いのかは確かに難しい問題ですが、これは、愛煙家の方がタバコを辞めたり減らしたりしないための言い訳にしていることもありますので、しっかりとタバコの問題に向き合ってください。

タバコが逆流性食道炎にとってよくないものだということをしっかり認識し、まずは量を減らしていくことが大切です。自分では難しいということであれば、禁煙外来など専門家の手を借りることも選択肢の一つです。

たばこを辞めるくらいなら死んだ方がいいなどと言う人もいますが、 逆流性食道炎が起こっている人が、たばこを吸うと胃および十二指腸の粘膜防御能が低下するため、胃潰瘍および十二指腸潰瘍を併発する危険性も高まります。

本当に、命に関わる病気に発展してしまう前に、自分の体の状態とたばこのことをよく考えて、ストレスなく禁煙できる方法を探ってほしと思います。

たばこの後にはガムを噛むなど、唾液を減らさない工夫をすると臨時の対策としてはでしょう。そうしながら、たばこの代わりにガムを噛んで禁煙できれば一番いい方法かもしれません。

狭心症では?逆流性食道炎からくる胸痛がそれでも不安なあなたに

食道は心臓の裏にあるために、逆流性食道炎によって胸痛が起こると、心臓に重大な問題が起こったのではと思われがちです。逆流性食道炎によって辛い症状は他にもたくさんありますが、中にはこの胸痛によって、命に関わる症状を考えてしまい不安になることが辛いと、胸痛から受けるストレスを訴える患者さんもいるのです。

逆流性食道炎で起こる胸の痛みと、狭心症の胸の痛みというのは、症状としては実際によく似ています。胸の痛みだけではなく、他の症状も確認して総合的に判断すれば、逆流性食道炎の判定をすることはそれほど難しくないのですが、確かにこれは、逆流性食道炎の可能性が高いということであって、狭心症ではないという判定とは別のものなのです。

狭心症は、様々な原因により心臓の血管が狭窄し、血液循環が滞り、心臓に十分な酸素を送れなくなったときに発病します。血管が狭くなる原因は、生活習慣病の高血圧や高脂血症から続発する動脈硬化が要因の多くを占めていると考えられています。

稀なケースではありますが、胸痛を訴えた患者さんが胃カメラの検査によって逆流性食道炎と診断されて治療をしていたにも関わらず、狭心症も患っていることを見落としていたために重篤な状態に陥ったという例が実際にもあります。ですから、いくら逆流性食道炎だと診断されても不安が残るということであれば、心電図の検査を受けることをおすすめしたいと思うのです。

心電図での検査で、明らかな狭心症があればすぐに発見できます。自分は心臓の命に関わる病気なのではないかという不安がストレスになって、逆流性食道炎を悪化させることも考えられますので、逆流性食道炎だと診断された後でも、やはり不安だという場合には積極的に心臓の検査をうけるようにしましょう。それで重篤な病気を恐れるストレスから開放されれば、それで逆流性食道炎にとってもいい影響になる可能性もあります。

主治医は、もしかすると狭心症の検査は必要ないというかもしれませんが、不安で辛いということであれば、その旨を伝えて検査をお願いしてみましょう。心電図はそんなに難しい検査ではありませんので、検査をしてもらえるか、専門の病院を紹介してもらえる可能性が高いと思います。

逆流性食道炎による胸痛は命に関わるものではありません

胸が痛いと感じた時に、多くの人は心臓の病気を真っ先に疑うことと思います。逆流性食道炎の患者さんの中にも、逆流性食道炎による胸痛を緊急性のある心臓の症状と思い、救急車で病院に運ばれるというケースが少なくありません。

胸痛を生じるもので、原因が心臓にあるとすると、すぐに思い当たるのは心筋梗塞ではないでしょうか。そうであれば、これは命に関わる症状ですのですぐに救急車を呼ばなくてはならないでしょう。しかし、実際には胸には心臓以外にも臓器があり、肺や食道も胸にある臓器です。胸痛といっても、一概に命に関わる症状ということではないのです。急激に激しい痛みが出た場合には、そんな余裕はないのかもしれませんが、継続的に続く胸痛であれば、心臓の病気とあわてずに、他の症状などから、問題の切り分けをしてみてください。

しかし、中には病院に行って心臓には問題がないと言われても、こんな激しい胸痛があるのだからと不安になる方もいらっしゃるようです。そこで、胸痛は心臓だけで起こるものではないことを知ると、少し安心できるのではないでしょうか。食道は心臓の裏側にあるため、特に不安になる痛みだと思いますが、逆流性食道炎による胸痛であれば、すぐに命に関わるものではありませんので、その点については安心してほしいと思います。

肋間神経痛の痛みと間違われることもありますが、逆流性食道炎にともなう胸痛は、胃から逆流してきた酸によって、食道が傷つけられることで起こる痛みです。

制酸剤を使って、胃酸の分泌を抑えるなど、逆流性食道炎の治療を行うことで症状はすぐに軽減されますので、原因の分からない胸痛に悩んでいたり、心臓が悪いのではと不安に思っている場合には、他にも逆流性食道炎の症状に該当する症状がないかを確認してみましょう。朝、起きた時に胸痛の症状が出る場合には、ほぼ逆流性食道炎だと思っていいと思います。

逆流性食道炎による胸痛であれば、すぐに命に関わるような症状ではありません。しかし、激しい胸痛の症状が出るということは、逆流性食道炎の状態としては、放置していい状態ではありませんので、かならず専門医を受診して治療をするようにしてください。

5人に1人が患っている?逆流性食道炎の患者数とは

特に欧米で患者数が多いと言われている逆流性食道炎ですが、食生活の欧米化や高齢化に伴い、日本での患者数が激増している病気でもあります。

日本では、胃カメラの検査をする患者さんのうち逆流性食道炎が発見される患者さんは、30年前には5%程度だったのですが、現在では30%に迫る患者さんに逆流性食道炎が発見されるようになっています。また、初期の症状では病院を受診していない人もいると考えられますので、そういった病院に行っていない患者さんを含めると、現代の日本では5人に1人が逆流性食道炎の患者だとさえ言われているのです。逆流性食道炎は、間違いなく日本でも国民病になりつつあります。

しかし、患者数が増える一方で、逆流性食道炎が最悪食道ガンにまで繋がる危険な病気であるという認識は進んでいないように思います。日本では昔から「胃が痛くなりそうな仕事だ」などと例え話にするくらいに、胃の不調ついてはどこか危機感が薄く、たかが胃痛、たかが胸焼けとして、せいぜい市販の胃薬を飲んで終わらせてしまう人が多いのです。これらの症状を軽視せずに、胸やけがあれば、逆流性食道炎の可能性を疑ってみなくてはなりません。

日本が、これまで欧米に比べて逆流性食道炎の患者数が少ない国であった理由はいくつかあります。まずは食生活の違いです。欧米では脂っこいものや甘いものが、日本よりも習慣的に摂取される傾向があり、これが患者数を増やす結果に繋がっていました。また、日本人はヘリコバクターピロリ菌の感染者が多いことが知られています。ヘリコバクターピロリ菌は、胃潰瘍や胃がんの原因になることが分かってきており、それはそれで問題なのですが、、菌が胃の粘膜に影響を与えて胃酸の分泌が抑えられていることでも知られています。これによっても、日本では逆流性食道炎の患者数が抑えられていたと考えられるのです。

しかし、食生活は欧米化し、ヘリコバクターピロリ菌の感染者は、若い世代では激減しています。これまで、逆流性食道炎の患者の増加を抑えていたものがなくなるわけですから、患者数はこれからも増えると考えられるのです。

自分は大丈夫と思わずに、逆流性食道炎が疑われる症状がある場合には、専門医を受診するようにしましょう。早期発見は逆流性食道炎の治療にとってとても大切なことです。

逆流性食道炎とひどい肩こりの関係について

逆流性食道炎の症状の一つとして、ひどい肩こりという症状が上げられることがあります。逆流性食道炎と肩こりの関係は、実は以外なところにあります。

まず、逆流性食道炎によって逆流した胃酸が原因になり肩こりが誘発されるということはありません。それよりもむしろ、ひどい肩こり、もしくはひどい肩こりを起こすような状況が逆流性食道炎を引き起こしたと考えるべきだと思います。

一般的に肩こりとは、簡単にいえば肩周辺の筋肉が緊張状態にあったことで、周辺の血行不良が起こり、老廃物が貯まったり、筋肉そのものが固くなってしまうことで起こります。筋肉が緊張状態に置かれる状況は、例えばずっと同じ姿勢でいることや、重いものを持ったこと、別のこりにひっぱられることもありますし、体のゆがみの影響を受けることもあります。自律神経のバランスが崩れると、血管が萎縮して血行不良が起こり、肩こりが起こりやすくなることから、ストレスによっても肩こりが起こると考えられています。

逆流性食道炎との関わりが、もう見えてくるのではないでしょうか。

まずは、長時間同じ姿勢でいること。これはパソコン作業などをが代表的ですが、パソコン作業で肩がこる人は、猫背の状態で作業を続けているケースがほとんどです。猫背は腹部を圧迫しますので、逆流性食道炎を招く代表的な姿勢なのです。重いものを持つことも、腹圧が上がるため逆流性食道炎の原因になります。また、体のゆがみの影響で腹部が圧迫されて逆流性食道炎を発生する可能性もあります。もちろん、ストレスも逆流性食道炎の原因になります。

また、肩こりを発生する人は、肩だけでなく、背中や腰こりを併発している人が多く、背中の筋肉が硬直すると、胃の働きに影響を与えたり、腰の筋肉が硬直すると、腸の働きに影響を与えます。胃の働きが低下すれば、これも逆流性食道炎に繋がりますし、腸の働きが低下して便秘になれば、腹圧が上がってこれも逆流性食道炎の原因になります。

このように、肩こりは逆流性食道炎に様々な面で関係のある症状です。ストレッチや運動をして、こりをほぐすように努めることは逆流性食道炎の予防や症状軽減にとっても大切です。こりの原因が体のゆがみにあれば、それを治すことで逆流性食道炎が改善する場合もあります。

ひどいか肩こりがあるという人は、逆流性食道炎になってしまう予備軍の可能性があると思って対策をするようにしてください。

逆流性食道炎は完治しない病気じゃない

よく、逆流性食道炎は完治はしない病気だと思っている方がいらっしゃいます。そのため、症状が出たら病院へ通って薬を飲み、症状が治まれば治療を辞めてしまうことを繰り返しているのです。どうせ完治しないのだかと諦めてしまってはいないでしょうか。

逆流性食道炎が完治しないというのは、大きな間違いです。正しい治療と、食生活、生活習慣の改善を行えば、逆流性食道炎は完治する病気なのです。

確かに、一朝一夕で完治できる病気でないことは確かですが、まずは完治することを知って、完治に向けた治療を行うことが大切です。そのために必要なのは、一時的に症状が治まったからといって、治療をやめてしまわないことです。症状が治まっても、逆流性食道炎は治療をやめればすぐに再発します。それが、逆流性食道炎が完治しないという誤った認識を生む原因にもなっていますが、再発しやすいことと完治しないことはイコールではないのです。

症状が治まっても、医師の指示通りの服薬を続けましょう。また、服薬を続けると同時に大切なのは、日常生活でのケアです。まずは、自分の逆流性食道炎の原因を分析することです。問題は食生活にあるのか、生活習慣の中にあるのか、ストレスなのかを知らなくてはなりません。そのどれもに当てはまる場合もあると思います。逆流性食道炎をよく知り、原因になっている可能性のあるものは、一つ一つ改めていきましょう。中には完全の改善することが難しいものもあるかもしれませんが、逆流性食道炎を完治させる意識を持って、できる範囲で摂生をすれば、それだけでも症状はかならず軽減していくはずです。

もちろん主治医に相談することも大切です。自己分析と主治医への相談の結果、例えばストレスが原因になっているならば、内科的な治療に合わせて精神科や心療内科での治療を考えたり、腰が曲がっていることが腹部を圧迫する原因になっているなら、腰のゆがみを軽減する治療を合わせて行うなど、複合的な治療を行うこともできます。

逆流性食道炎は近年患者数が増加して大きな問題になっていることと、患者さん自身でのケアも欠かせないことから、患者さん自身が生活改善をする時の助けになるような冊子やチェック表などが色々作られています。病院によっては、逆流性食道炎の患者さんのための料理レシピを配布している病院などもありますので、そういったものも上手に活用してください。

悪寒も逆流性食道炎の症状。こんなにある逆流性食道炎の現れ方

代表的な症状とされている他にも、逆流性食道炎の人にあらわれる症状というのは様々なものがあります。消化器の病気とは一見関係の無いような症状もたくさんあり、悪寒などもその一つです。風邪などの初期症状と間違われて見落とされる可能性もありますが立派な逆流性食道炎の症状なのです。

逆流性食道炎であらわれる可能性のある症状を、代表的な症状以外のものも含めて紹介します。

・痰がからまない空咳、痰のからむ咳。

・喉がゼエゼエ苦しい、喉がしまる感じ、喉がつまる感じ、喉の痛み、喉の奥に痰が詰っているような違和感、喉そのものの違和感。

・喉を上がってくる灼熱感、すっぱい、苦い水がある。

・胸の痛み、胸の違和感、胸の不快感。

・背中のだるさ、背中の痛み。

・呼吸が浅い、息苦しい、深呼吸できない、しっかり息が吐けない感じ。

・嘔吐、吐き気、悪心、胃もたれ。

・嚥下痛、困難。

・みぞおちの痛み。

・空腹感が強い、すぐに食べたくなる、変に食欲がある。

・お腹が減らない、食欲がない。

・おなかの張り、膨腹感がある。

・体がだるい、重い。

・微熱、悪寒。

・動悸がすることがある。

・めまい、たちくらみがある。

・肩こり、首のこりがひどい。

・耳の痛み、耳鳴り、耳の詰まり。

・喉の奥に、鼻から痰や鼻水が落ちてくる感じがする。

・口がよくかわく。

・腹痛(どーんと重い痛み)。

・胃、腹部、胸部が熱を持った感じ。

ざっと挙げただけでもこれだけの症状があります。患者さんの中には、お腹の痛みは内科、背中の痛みは整形外科といったように、自分で線引きをして、起こっている症状を主治医に全て伝えないこともあります。

しかし、患者さん自身では思いもよらないものが、病気の兆候になっていることもありますので、問診の段階でできるだけ色々な情報を医師に伝えるようにしてみてください。

ガムや牛乳で逆流性食道炎の応急処置ができる?

逆流性食道炎を患っている患者さんから質問されたものです。逆流性食道炎の症状が辛い時に、ガムや牛乳で応急処置をすることができるというのは本当か?というものでした。
逆流性食道炎の症状にもよるかと思いますが、それは有効な方法ではないかと思います。

まず、ガムを噛む事では唾液の分泌が促されます。唾液は弱アルカリ性の物質ですので、唾液によって胃酸を中和することができます。胃酸の逆流によって、喉がヒリヒリしたり、胸が痛むような症状が出て困っている時に、応急処置としてガムを噛むというのは、使える方法だと思います。

次に牛乳ですが、牛乳には胃酸の中和と粘膜を保護する役割が期待できます。胃酸の逆流症状によって胸や喉に痛みを生じるような時には応急処置として牛乳を飲むのは有効でしょう。ただし、胃の働きが低下していることが予想される時ですので、牛乳はできれば温めて飲むようにしたほうがいいかと思います。牛乳とおなじようにヨーグルトを食べてもいいかと思います。そういったものが何もない時には、できるだけ冷たくないお水を少し飲むだけでも症状の改善が期待されます。

また、食品での応急処置ということではバナナが勧められることがあります。

逆流性食道炎の人は、空腹時に吐き気や胸やけなどの症状が強くでる人がおり、そういった症状を軽減するために、つい間食の量が増えてしまう人がいます。間食が増えて体重が増加すれば、腹圧があがって逆流性食道炎に悪影響を与える場合もありますので、こうした場合の間食にすすめられるのがバナナです。

栄養価も高く消化にいい食べ物で、腹持ちもいいのがバナナの特長です。

逆流性食道炎の患者さんは、常に腹8分目で食事をするように指導されるかと思いますが、間食にバナナを食べることで、食欲を抑えて食事量をコントロールする役割も期待できます。

ただ、これらはあくまで応急処置であり、根本的な治療方法ではありません。症状があるたびのこれらの応急処置で対処していけばいいわけではなく、逆流性食道炎は、専門医の下で適切な治療を行うことが大切だということも忘れないでください。

適切な治療を行っている上で、症状が出てしまい、薬も持ち合わせていないような時には、こういった応急処置は助けになる場合がありますので、覚えておくといいかと思います。

嘔吐の習慣化は危険。逆流性食道炎で注意したい嘔吐について

逆流性食道炎の症状には嘔吐の症状があります。逆流性食道炎の患者さんは胃の働きが低下していることが多く、そのため、消化不良を起こして嘔吐してしまうことがあります。また、逆流性食道炎は、胃の内容物の逆流を防ぐ下部食道括約筋の機能が低下しているために、そもそも嘔吐をしやすい状態になってしまっていることがあるのです。ちょっとしたもたれや吐き気でもすぐに嘔吐してしまったり、症状が悪化すると、咳やげっぷ、しゃっくりといった腹圧の上昇でも簡単に嘔吐するようになってしまいます。

逆流性食道炎では、逆流した胃酸の影響で咳がでたり、げっぷが出やすくなるのも症状の一つですので、こうした症状のたびに胃の内容物があがってくるのは大変辛い症状です。

気をつけたいのは、吐くと胸やけや吐き気が楽になるからといって、積極的に嘔吐することを習慣化してしまってしまっている人がいることです。これは、体のためにも大変危険なことです。胃と食道の境目の弛緩をさらに進め、逆流性食道炎を悪化させてしまうことにもなります。

逆にいえば、アルコールを過剰に摂取して嘔吐したり、暴飲暴食が原因になって嘔吐をすることが度々あると、それが原因になって逆流性食道炎が発生することも十分に考えられます。食生活の中に嘔吐を繰り返すような原因がないかをチェックして、なるべく嘔吐をしないように生活を送らなくてはなりません。ダイエットのために食べたものを吐くなどということはもちろん論外です。

嘔吐が習慣になってしまうと、生活に大きな支障となります。逆流性食道炎の患者さんの中には、食後に前屈みの姿勢をとっただけで嘔吐しそうになったり、嫌な話しですが、外出先で咳き込んだ際に胃の内容物が口まで上がってきてしまい、あわてて飲み込んだなどという体験を持つ人は決して少なくありません。

また、嘔吐は習慣化すると治りにくい症状でもあります。逆流性食道炎をできるだけ短期間で治療するためにも、嘔吐の症状がある場合には、放置せずに服薬などの治療を行うようにしてください。

逆流性食道炎の嘔吐は、胃酸の分泌を抑える制酸剤の使用や、胃の働きを高める薬の服用で軽減することができる症状です。

逆流性食道炎によっておならの量やにおいが変化することはある?

逆流性食道炎とおならの関係について、患者さんから質問を受けることがあります。

アイドルはおならをしないなどということが実しやかに囁かれた時代もありますが、人間ならはおならが出ない人はいませんし、おならは生理現象です。しかし、いくら生理現象とはいっても、どこでもおならが出来るかといえばそうでもありませんし、おならの問題に頭を悩ませている人は多いかと思います。

結論から言えば、胃酸の逆流とおならというのは、直接的な関係があるわけではありません。しかし、おならの量や臭いに関係する問題と逆流性食道炎を発生する問題には共通するところもありますので、逆流性食道炎を発生しやすいような生活を送っている人がおならの問題でも悩んでいるケースは多いようです。

おならの正体は、食事の際に口から飲み込んだ空気と、消化の際に発生するガスです。食事の際には、誰でも空気を一緒に飲み込んでいるのですが、この空気によって胃の中の内圧が上がってくると、一部はげっぷとして体外に排出され、残りはそのまま腸と通っておならとなるのです。早食いの人は、よく噛まないことから空気をたくさん飲み込んでいることが知られていますし、また炭酸飲料にも当然ガスが含まれていますので、炭酸をよく飲む人も、胃に空気を取り込んでいることになります。通常であれば胃の内容物の逆流を防ぐために閉じられている下部食道括約筋は、げっぷを出す時には緩んで空気を外に出しますが、これを頻繁に繰り返すと、下部食道括約筋が弛緩して、胃酸が逆流しやすくなります。そのため、早食いの人や炭酸をよく飲む人は逆流性食道炎になりやすいのです。そして、空気を飲み込む量が多いということは、おならの量にも影響を与えていることになります。

また、逆流性食道炎の人は、油っこいものや甘いものをよく食べていることが多いのですが、これらが分解される時に発生するガスはおならの臭いを強くすることで知られています。その臭いを防ぐのは腸内の善玉菌ですが、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れると悪玉菌が増えてガスが発生しやすくなります。逆流性食道炎の人は、自律神経のバランスを崩したために症状を発生していることも多く、この点でもおなら問題との共通性が見られます。

逆流性食道炎を治療するための食生活や生活習慣の見直しをしていけば、同時におなら問題も解消できる可能性が高いですので、一石二鳥です。