逆流性食道炎で出血した場合の消化器の状態とは?

逆流性食道炎で炎症を起こしている消化器では、出血が起こることがあります。逆流性食道炎の出血はさほど量が多くない場合がほとんですが、中には大量出血をするケースもあります。出血した血液は、吐血となるか、便に混じって排泄されます。吐血をすれば誰でも出血があったことに気が付きますし、症状を軽視はしないと思うのですが、便として排泄される場合には、近年では洋式のトイレがほとんどになっていることもあり、気づかれずに見過ごされてしまう場合もあります。血液が便として排泄された場合、出血が少量の場合には黒いタール状の便がでますが、出血が大量だった場合には鮮紅色になります。血便が鮮紅色の場合にはかなりの出血量があったと考えてください。

逆流性食道炎は、症状の重傷度と自覚症状が必ずしも比例していないこともあります。そのため、自覚症状が軽い状態の時に多少の血便に気がついても、このくらいはと放置してしまう人もいるのですが、逆流性食道炎で出血があるということは、症状の状態としてはかなり悪い状態です。

出血があるということは、食道には胃酸の逆流による傷、びらんができていたり、そのびらんから出血を起こしている可能性があります。また、その影響で食道そのものが細くなっているような場合もあるでしょう。これは、逆流性食道炎でもかなり症状が進行している状態といえます。

逆流性食道炎での出血は、消化器での炎症や潰瘍が進んでいる証拠なのです。このような状態を長く続けていることは、大変危険です。出血の症状が認められた時には、すぐにでも主治医に相談するようにしてください。また、出血を起こすような状態になるまで放置しないためにも、胸やけなどの症状を感じた時点で病院にかかるようにすること、また、一度でも逆流性食道炎と診断されたことがあれば、定期的な検査をするなど症状を重症化させないように予防に努めることが大切です。

それと同時に、便や嘔吐したものに血液が混ざっていないかを確かめるようにすることも、重症化の予防ということでは大切だと思います。

逆流性食道炎の胃カメラ以外の診断方法とは

逆流性食道炎の正確な診断と適切な治療を行うためには、胃カメラによる検査を行うのが一番です。症状の進行具合や、その他の病気がないかの確認もできるため、逆流性食道炎の診断をするためには、多くの病院では胃カメラの検査をすすめられることと思います。しかし、胃カメラの患者さんへの負担が軽減されてきているとは言っても、それでもどうしても胃カメラの検査は受けたくないという患者さんもいるのです。

では、逆流性食道炎は胃カメラ以外には、どんな診断方法があるのでしょうか。

まず、一番簡単な方法は問診です。逆流性食道炎は、症状の問診や、患者さん自身に記入してもらう点数制のチェック表の合計点などでだいたいの診断ができると言われています。逆流性食道炎の症状で病院にかかれば、まずはじめに受けるのがこの問診になります。問診だけで診断をして治療をすることもありますが、それでは症状の進行度合いは正確にはわかりませんので、問診で逆流性食道炎と診断されても別の検査をすすめられたり、問診の診断だけで治療をすすめても効果が見られない時には、やはり別の検査をすることになります。

胃食道逆流症を最も確実に診断できる検査は食道のpH測定だと考えている医師もいます。先端にセンサーがついた、柔軟な細いチューブを鼻から食道へ通し、24時間程度の時間をかけて食道内の酸性度を測定する検査です。チューブには、酸性度を自動的に測定、記録する装置が付いており、患者さんはこの装置とチューブをベルトなどに繋げて生活します。この結果によって、逆流性食道炎の診断が確実にできます。症状が典型的な逆流性食道炎の症状ではないような時には、この検査で症状と胃酸の逆流の因果関係が分かります。

X線検査が行われることもあります。バリウム溶液を飲んだ後で胃酸が逆流しやすい体勢をとって、バリウム溶液が胃から食道に逆流するかどうかを観察する方法がとられます。この検査でも逆流性食道炎の診断ができますし、食道潰瘍や食道狭窄の有無もわかります。しかし、検査で異常が見つかった場合には、結局胃カメラの検査が必要になる場合が多いため、X腺検査を行わずに、胃カメラの検査をすすめられることも多いかと思います。

これらの検査は、有効な検査ではありますが、胃カメラの検査にはがんの早期発見という側面があることを考えると、やはり胃カメラの検査をおすすめしたいと個人的には思います。

逆流性食道炎の治療は、手術の方が安いって本当?

日本では、逆流性食道炎の治療の主流は外科手術ではありません。薬の服用を続けても、逆流症状が改善しない場合、食道ガンの原因になるバレット食道が見つかった場合、狭窄、出血など食道炎の程度が重症な場合などには外科的手術が行われますが、その際にも、年齢や治療期間など色々な問題を考えて、内科的治療との比較検討が行われた上で外科的治療を行うことになります。

しかし、アメリカなどの場合には、逆流性食道炎の治療にも外科手術が多く行われているのです。それは、逆流性食道炎が長期に渡って薬の服用が必要になる場合もある病気であるため、医療費のことを考えれば、薬代を払い続けるよりも、手術でひと思いに治療してしまった方がトータル的には医療が安く済むためというのも、一つの要因になっているように思います。

逆流性食道炎の治療は、薬の服用と生活の改善などで行えるために、多くの患者さんにとって手術は必要ないというのが日本での治療方針の主流ですが、患者さんからも、手術をしてしまった方が治療費は安く済むのではという質問を受けることがあります。治療が長期化することを考えれば、確かに手術をした方が安いということもあると思います。

お金のために手術のリスクを負うのはと考える方も当然いると思いますが、逆流性食道炎の手術は決して難しい手術ではありません。

胃で食道を巻きつけて逆流防止弁を作成する方法を取り、その巻き付け方によってNissen手術(ニッセン法)、Toupet手術(トゥーペ法)と呼ばれる手術をしますが、どちらも開腹せずに腹腔鏡下手術が可能であるため体への負担は最小限で手術できます。

傷が小さいため、傷跡も目立たず術後の痛みも少ない手術法です。2~3日の入院で退院できるためすぐに社会復帰もできます。どんな手術にもリスクはあるように、この手術法でも麻酔のリスクや合併症の危険はゼロではありませんが、行われている数も多く、安全性は証明されている手術と思っていいと思います。

ゲップや嘔吐が困難になる場合があり、ゲップが出ないためにおならの量が増えたと感じる患者さんもいるようですが、重篤な副作用は報告されておらず、再発のリスクもゼロではありませんが高くはありません。

これから先逆流性食道炎の患者数が増加していけば、日本でもアメリカのように外科手術を受ける患者さんの数が増えていくことがあるかもしれません。

しゃっくりでおえっとなるのは逆流性食道炎を悪化させる危険あり

頻繁にでるしゃっくりは、生活の妨げになることももちろんですが、逆流性食道炎を患っている人にとってしゃっくりは、もっと深刻な問題になっていることがあります。逆流性食道炎の患者さんは、胃の内容物の逆流を防ぐための下部食道括約筋の働きが低下しているため、胃酸だけではなく、胃の中身そのものが逆流しやすい状態になっています。しゃっくりは逆流性食道炎の症状の一つなのですが、症状がひどい人の場合、しゃっくりによって嘔吐をしてしまったり、嘔吐とまではいかなくてもしゃっくりによって胃の内容物が口まで上がってきてしまうことがあります。これは大変不快な症状です。

しゃっくりとは横隔膜の痙攣で起こるもので、意思に関係なくでてしまうものです。多く場合はすぐとまりますので、問題ないのですが、逆流性食道炎の患者さんの場合には頻繁に出るしゃっくりが長時間続くこともあります。しゃっくりの原因は、何らかの原因で横隔膜が刺激されることで起こるとされています。過食や空気を飲み込んだり、炭酸飲料などの摂取などでも横隔膜は刺激されますし、横隔膜を刺激するような位置にできた潰瘍やがんによってしゃっくりが出ることもあります。逆流性食道炎の患者さんの場合には、過食などの生活習慣によるものか、逆流性食道炎による刺激が横隔膜周辺にあるためにしゃっくりが出るものと考えられます。また、ストレスからしゃっくりが出ることも分かっていますので、逆流性食道炎ともども、ストレスの影響を受けている可能性もあります。

しゃっくりの対処法は、みなさん色々なことをしているようですが、深呼吸をしたり、息を止めたり、水を飲むというのはしゃっくりを止めるのに効果があるようです。

基本的には生活習慣の改善を含む逆流性食道炎の治療を行うことで、しゃっくりの症状もなくなっていきますが、そでまでの症状が辛い場合には、しゃっくりに効果がある薬が処方されることもあります。本来は精神安定剤一種ですが、しゃっくりを止めることに効果があり、体への負担も少ないことから逆流性食道炎の治療にも使われることがあります。

しゃっくりで胃の中身が逆流するような状態が続くと、逆流の習慣がついてしまい、逆流性食道炎が悪化してしまいます。しゃっくりの症状が辛い場合には、主治医に相談してしゃっくりをとめる治療をすることも大切です。

逆流性食道炎の患者さんのサプリメント服用は主治医に相談を

逆流性食道炎そのものを治療してくれるようなサプリメントは、私の知る限りではありません。しかし、逆流性食道炎によって起こる症状別に細かく見ていけば、それに対応できると思われるサプリメントは何種類がありますので、治療のサポートとしてサプリメントを服用しているという患者さんはいると思いますし、直接逆流性食道炎とは関係なく、健康のためのサプリメントを服用していることもあるかと思います。

また、逆流性食道炎で胃酸が逆流するのを防ぐために、胃酸の分泌を抑制する制酸剤を服用していう人は多いと思うのですが、制酸剤の服用を長期間続けると、カルシウムの吸収が妨げられるため、カルシウムを摂取するためにサプリメントを服用しているというケースもあると思います。

カルシウムは、特に女性にとっては気になる栄養素の一つですし、骨粗鬆症などのリスクを考えれば、摂取して悪いものではありません。しかし、カルシウムのみを摂取しても効率よく骨を作ることはできませんので、本格的にサプリメントを摂取している人であれば、カルシウムと一緒にビタミンDなどのサプリメントを服用していると思うのです。

ここで気をつけたいのは、カルシウムもビタミンも実は胃にとっては刺激物になっている可能背があるということなのです。例えばカルシウムなら、牡蠣の殻や卵の殻を原料とした炭酸カルシウムが使われることがありますが、炭酸カルシウムは水に溶けると強アルカリとなります。アルカリ制なら胃酸の酸を中和して、逆流性食道炎にもよいのではと思うかもしれませんが、強いアルカリ性で胃酸が中和されてしまうと、消化能力が落ちてしまい、結果食べ物が消化されずに胃に留まる時間が長くなって胃もたれや胸やけを起こす原因になってしまうのです。

サプリメントといえば、多くの人は体にいいものと考えていることと思いますが、このように胃もたれや便秘、下痢を引き起こすこともあります。サプリメントは有効成分以外にもいろいろなものが入っているため、成分によってはかえって体に負担をかけてしまうことがあるのです。

逆流性食道炎を発生している人なら、ただでさえ、消化器の調子が悪くなっているところですので、その影響が強くでることも考えられます。ですので、サプリメントの服用を考える場合には、今服用している薬との飲み合わせのことも含めて、主治医に相談するようにしましょう。

逆流性食道炎を再発させないための生活の工夫のポイント

逆流性食道炎は薬を服用すれば、症状を軽減することは比較的簡単にできます。しかし、症状が治まったからと治療を辞めてしまう人も多く、根本的な原因は生活習慣など別のところにあることが多いために、一度治ったと思ってもすぐに再発しやすい病気でもあります。せっかく治療を行って、逆流性食道炎を治したのならば、再発させないように生活を送りたいものです。

逆流性食道炎を再発させないためには、毎日の生活の中で自分で気をつけてケアをしていくしかありません。油っこいものを食べない、甘いものを食べない、前屈みになってお腹を圧迫しない、重いものを持ち上げない、お酒とタバコを控えるなどなど、医師から指示される生活改善のアドバイスは色々あると思います。しかし、全部を全部完璧に守るというのは、正直なところ難しいのではないでしょうか。逆流性食道炎にならないための生活を心がけるストレスで逆流性食道炎になってしまっては、本末転倒というものです。

逆流性食道炎を再発させない生活を送る工夫は、そんなに難しいものではありません。例えば、いつもだったら油で炒めていたお肉をしゃぶしゃぶにしてみたり、鶏肉を調理する時に油の多い皮ははがす。これだけでも、逆流性食道炎の再発を防止する生活の工夫です。

甘いものはチョコレートやケーキのようなものの摂取が増えないように、果物を中心に切り替えたり、お酒もたばこもいつもより少し減らしてみたり。食べない、やらないの生活ではなく、食材や調理方を置き換えたり、少しでもよくないことの頻度を減らすように心がけるのがポイントなのです。

食べない、やらないの再発防止は、無理も出ますし、何より続きません。逆流性食道炎は、何年以上症状が出なければ完治という病気ではありませんので、この再発防止は一生涯に渡って続けていくものです。あれもダメ、これもダメと自分を締め付けすぎずに、長期に渡って再発防止に努めることが大切です。

そうした意識をもって、工夫を重ねて生活すれば、逆流性食道炎の再発は防げます。再発したらまた治療をすればいいと考える人もいますが、再発を繰り返すことでより重症化していってしまうことも考えられますので、再発させない生活を送ることを心がけましょう。

無自覚の逆流性食道炎が声がれで発見された女性の話

逆流性食道炎で、声がかれてしまう場合があることをご存知でしょうか。逆流性食道炎とは、胃酸が逆流してしまうことで様々な影響が現れる病気ですが、声にまで影響を及ぼすことがあるのです。

ある女性の患者さんの話しですが、その女性は、サークルに所属してコーラスを楽しむのが趣味の女性でした。女性は、健康には気を使うタイプで、特に体に悪いところはないと考えていたのですが、ある時から、歌を歌うと声が枯れてしまったり、歌っている最中にタンがからだんようになったり、むせてしまうという症状に悩まされるようになったのです。

はじめは喉風邪でも引いたかと考えたそうですが、体には声の異常以外の症状がなく、原因は全く不明でした。声がかれるといっても、日常生活で話しをするくらいでは問題がないため、そのまま生活をしていたのですが、趣味の活動が思うようにできないことは、女性にとってはとても残念なことでした。そこで、思い切って耳鼻咽喉科を受診することになったのです。受診の結果は、喉や声帯には貼れなどの異常は見当たりませんでした。しかし、受診した病院の先生が逆流性食道炎の可能性に気づき、胃酸の分泌を抑える制酸剤を服用してみると、一週間ほどで声がれの症状は消えて、元の通りに歌が歌えるようになったとのことでした。女性には、胸やけなど、その他の逆流性食道炎の自覚症状は見られませんでした。しかし、自覚症状がほとんどなくても、逆流性食道炎を発生していることはあるのです。

逆流性食道炎の咳の場合と同じように、声がれの症状の場合にも、一般的には消化器の問題からくるものだとはすぐには疑わないことと思います。しかし、逆流した胃酸が声帯に炎症を起こしたり、声帯にまとわりついて声がれの原因になることがあります。

声帯の検査でも一見しただけれは分からないこともありますが、例に出した女性のように逆流性食道炎の治療を行うことで声がれが解消されることが多いため、逆流した胃酸の影響を受けていたことは明らかだと思います。

例の女性のように、医師が気づいてくれればいいのですが、原因不明の声がれにお悩みの場合は、逆流性食道炎の可能も疑っていましょう。場合によっては、通院する診療科を変えることで、こうした別の原因が分かって適切な治療ができることもあります。

逆流性食道炎と診断された場合の胃カメラ検査のペース

逆流性食道炎の疑いがある場合には、胃カメラによる検査を行うことが必要です。問診だけでもある程度の診断は可能なのですが、他にも病気がないかどうか、また逆流性食道炎の症状を正確に判定し適切に治療を行うためにも必要な検査なのです。

では、胃カメラの検査は一度行えばそれでいいかというと、そういうものではありません。胃カメラの検査で経過の観察が必要な症状が見つかった場合ではなくても、逆流性食道炎と診断されたなら、胃カメラの検査は定期的に行いたい検査です。

逆流性食道炎は、症状が治まったと思ってもまたすぐに再発してしまう病気です。また、症状の進行や、それにともなう消化器の状態もどんどん変化していくものですので、一度の検査で大きな異常がなかったからといって安心してはいけないのです。

逆流性食道炎が完治したつもりでいても、胃カメラで診断してみると自覚症状がないながらも再発が見られるケースもあります。

逆流性食道炎と診断されたなら、胃カメラの検査は一年に一回くらいのペースで受けておくことをおすすめします。また、一年に一度というペースにこだわらずに、異変を感じたらすぐに検査を受けるようにしてください。

胃カメラの技術の進歩は目覚しく、患者さんの体にかかる負担は大幅に軽減されています。検査の負担は決して大きくなく、胃潰瘍や胃がん、食道ガンの早期発見にも繋がり、検査で得られる結果は大きなものです。

一度の検査で安心せず、症状が治まっても油断せずに検査は是非とも続けてもらいたいのです。検査の継続で、逆流性食道炎の再発を防止し、健康的な生活を送りましょう。

逆流性食道炎で休職をしたいと考えるのは甘えでしょうか?

逆流性食道炎を患っている患者さんからの質問で、逆流性食道炎の症状がひどく休職を考えているという相談を受けることがあります。しかし、胃潰瘍や胃ガンになってからならともかく、逆流性食道炎で休職をするのは甘えていうのではないかというのが、相談した上司からの反応だったようなのです。

さて、逆流性食道炎で休職をしたいと考えることは本当に甘えなのでしょうか?

逆流性食道炎で休職をすることに否定的な意見が多くですことは、確かかもしれません。それは、逆流性食道炎には有効な薬があり、薬の服用で多くの症状は軽減することができるからでしょう。胃カメラの検査なども行って、その他の病気が見つからず、病気の診断名が逆流性食道炎となると、休職に対する理解は得づらいのかもしれません。

しかし、休職をしたいと考えることが甘えかといえば、私はそうは思いません。

薬を服用するなどの治療を続けながら仕事をし、上手に症状を付き合いながら治療を継続している患者さんは確かにたくさんいます。しかし、多くの患者さんがそうしているからといって、みんながみんなそうしなくてはいけないということではないのです。発生の原因も、症状も、仕事の環境も人それぞれですから、それぞれに合った治療方法というのがあります。その選択肢の一つに休職して治療というものがあってもいいと私は思います。

逆流性食道炎の治療には、生活の改善がかかせませんので、仕事を続けた状態では、どうしてもそれが叶わないということもあるでしょう。ある程度回復するまでは一度仕事を休んで、健康を取り戻してからまた頑張りたいという患者さんの気持ちは当然理解できるものだと思います。

逆流性食道炎の様々な症状は、患者さんの人生の質に大きな影響を与えます。ですから、薬を飲みながら仕事が続けられるかを、可能か不可能かの二択で考えるのではなく、可能だとしても一度休んで体制を立て直すという選択肢も必要なのです。

主治医や、職場とよく相談して、健康で充実した生活を一日もはやく取り戻せる選択肢を考えましょう。

ゼエゼエと息苦しい気管支喘息症状と逆流性食道炎の深い関係

息がゼエゼエして息苦しかったり、咳や淡が出て呼吸が苦しくなる症状は、典型的な気管支喘息の症状ですが、この喘息症状は逆流性食道炎が原因になっても起こります。

喘息は気管支に炎症が起こって、気管が狭くなったり塞がったりするために息苦しくなるのですが、多くの場合にはアレルギーが原因になっていたり、風邪や急激な気温の変化などの刺激が原因になって喘息が誘発されます。しかし、逆流性食道炎の患者さんの場合には、逆流してくる胃酸が気管に吸い込まれることで、気管が炎症を起こしたり気管を刺激して、喘息症状を誘発してしまうのです。

また、逆流した胃酸が食道の粘膜を刺激することで、気道の収縮や気管内の粘液の分泌を増加させるなどの反応がでることが指摘されており、これによっても喘息症状が誘発されている可能性があります。

また、気管支喘息の患者さんの食道内の酸性度とアルカリ度を調べるPH検査を行うと、成人の患者さんの場合には7割から8割の患者さんに、度合いの差はあれど酸の逆流が確認できるというデータもあります。アレルゲンの特定されていない、原因が特定できない喘息は、胃酸の逆流が原因になっているのかもしれないということです。

喘息症状を伴う逆流性食道炎の場合には、制酸剤などを用いて逆流性食道炎の治療を行うことで喘息症状の改善も期待できます。どうしても喘息症状がひどく、ゼエゼエして息苦しい症状の方が辛い場合には、気管支喘息の治療薬である気管拡張剤が処方されることもあります。しかし、気管拡張剤は胃の内容物が逆流することを防ぐ下部食道括約筋を緩めてしまう場合もあり、根本原因である胃酸の逆流を招いてしまうため、使用する際には主治医の指示に従い用法、容量を守って使用することが求められます。

また、気管支喘息と逆流性食道炎が併発されやすい原因としては、喘息の患者さんが長期間にわたってこれらの薬を服用したために、胃酸が逆流しやすい環境が続き、逆流性食道炎を発生している場合もあります。

ゼエゼエと息が苦しい症状にお悩みの場合には、喘息が先の場合でも、逆流性食道炎が先の場合でも、どちらにしても逆流性食道炎が喘息症状を悪化させることは間違いありませんので、逆流性食道炎の治療に取り組みましょう。

寝ている間や朝の息苦しさが強い場合には、胸から頭にかけてを少し高くして寝ることで胃酸の逆流を軽減し症状が改善される場合もあります。

このページの先頭へ